2015/2/4

総合・マクロ

独首相、オルバン首相の統治手法を批判

この記事の要約

メルケル独首相は2日、2010年のオルバン首相の就任以来、初めてハンガリーを訪問した。表現の自由の制限や、特定業界に対する特別税の導入など、オルバン首相の強権的な統治法が欧州連合(EU)の批判を受けるなか、メルケル首相が […]

メルケル独首相は2日、2010年のオルバン首相の就任以来、初めてハンガリーを訪問した。表現の自由の制限や、特定業界に対する特別税の導入など、オルバン首相の強権的な統治法が欧州連合(EU)の批判を受けるなか、メルケル首相がこの時期に同国を訪れたのは、対ロシア政策で必要となるEU加盟国の統一を狙ってのこととみられている。17日にはロシアのプーチン大統領もハンガリーを訪問する予定だ。

メルケル首相はオルバン首相との会談後の記者会見で、国民の自由と反対派の存在を重要視する立場を明確にした。「ハンガリー首相のように、議会の圧倒的多数を確保しているとしても、民主主義においては野党・反対派や市民社会、メディアの重要な役割を認識すべき」、「反対派は敵ではなく競争相手。対話し、最も良い選択肢をめぐって競うべき」と話し、オルバン首相を批判した。

オルバン首相が昨夏の演説で、ロシアやトルコを模範とする「非自由主義的民主主義」を目指すと話したことについては、「個人的には理解できない」とし、自由主義と民主主義が一体のものであるとの認識を示した。

両国関係については、両首相とも重要視していると話した。しかし、メルケル首相は「しっかりとした枠組みを基盤とした」経済関係を尊重するとし、ハンガリー政府が一部の業界で保護経済的な措置を実施していることに批判を加えた。

ウクライナ内戦に関しては、ウクライナ政府への武器援助を行わない姿勢で一致した。