2015/2/4

総合・マクロ

ライファイゼン・インターナショナル、資産を2割削減

この記事の要約

中東欧銀行業界大手のライファイゼンバンク・インターナショナル(RBI、オーストリア)は1月29日、資産を最低2割削減する計画であることを明らかにした。ルーブル暴落とスイスフラン高により収益性が大きく悪化したためで、資産売 […]

中東欧銀行業界大手のライファイゼンバンク・インターナショナル(RBI、オーストリア)は1月29日、資産を最低2割削減する計画であることを明らかにした。ルーブル暴落とスイスフラン高により収益性が大きく悪化したためで、資産売却や不良債権償却により徐々に削減する。

RBIは収益源の柱であるロシアの景気悪化とルーブル暴落による業績への打撃に加え、スイスフランが中央銀行の相場上限廃止で上昇し、スイスフラン建て債務が社会問題となっている一部の中東欧市場でもリスク資産が増加する懸念が浮上。このため、市場では同行の劣後債の債務不履行を懸念する動きが強まっている。信用リスクを回避する手段として取引される同債のクレジット・デフォルト・スワップは、5年以内に債務不履行になる可能性が70%という水準で現在取引されているという。

RBIは昨年末時点で中核的自己資本比率(ティア1)約10%を確保しているので増資は計画していないが、現在794億ユーロのリスク加重資産を少なくとも20%削減してバランスシートを圧縮し、資本バッファーを増強する方針だ。今後は戦略上重要で長期的に収益を確保できる事業分野に注力する。

ロシアでは経済環境が急速に悪化しているが、昨年は純利益3億ユーロ超を確保。今年は不良債権引当金がさらに増加する見通しだが、業績回復を期待しており事業撤退する考えがないことを強調した。