2015/2/4

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

ロシアとトルコ、黒海パイプラインの16年末開通で合意

この記事の要約

ロシアとトルコは1月27日、ロシア産天然ガスをトルコ、欧州に運ぶ新たなパイプラインを建設し、2016年末に稼働させることで合意した。欧州連合(EU)との関係悪化で取りやめた「サウス・ストリーム」の代替プロジェクトで、3月 […]

ロシアとトルコは1月27日、ロシア産天然ガスをトルコ、欧州に運ぶ新たなパイプラインを建設し、2016年末に稼働させることで合意した。欧州連合(EU)との関係悪化で取りやめた「サウス・ストリーム」の代替プロジェクトで、3月末までに正式に契約する予定。投資額は明らかにされていない。

新パイプラインは黒海海底を経由する。送ガス管4本を敷設し、合計で年630億立法メートルの輸送能力を整備する。1本目はトルコ輸出向けで、年160億立法メートル弱を供給することになる。残る3本はギリシャ国境まで敷設する。サウス・ストリーム計画と異なり、欧州内のインフラ整備は欧州に委ねる方針だ。

黒海では、サウス・ストリームで予定されていたルートのうち660キロメートルをそのまま採用し、残る250キロメートルをトルコに向けて敷設する。海底パイプラインの工事はガスプロムが行い、トルコ領の地上部分についてはロシアとトルコが共同で進める。

この計画は昨年12月に発表されたばかり。ロシアはサウス・ストリームと同様に、ウクライナを迂回して欧州に輸出する新ルートの整備を目的としている。ウクライナとの送ガス契約が2019年末に失効するのを受け、20年から輸送ルートをウクライナからトルコに変更する。