2015/3/4

バルト三国

エストニア議会選挙、与党が勝利

この記事の要約

エストニアで1日実施された議会選挙(定数:101)で、ターヴィ・ロイバス首相率いる中道右派の改革党(RE)が27.7%を得票し、第1党の地位を維持した。ただ、これまでの連立パートナーである社会民主党(得票率:15.2%) […]

エストニアで1日実施された議会選挙(定数:101)で、ターヴィ・ロイバス首相率いる中道右派の改革党(RE)が27.7%を得票し、第1党の地位を維持した。ただ、これまでの連立パートナーである社会民主党(得票率:15.2%)と合わせた議席数は45と過半数に届かず、新たな連立に向けた模索が始まっている。

改革党は3議席減の30議席、社会民主党は4議席減の15議席を確保した。第2党は親ロシアの中央党で、得票率24.8%、27議席と1議席増やした。

新党の保守人民党(EKRE)と自由党はいずれも阻止条項である得票率5%をクリアして議会入りを果たした。自由党は得票率8.7%で8議席を、保守人民党は8.1%で7議席を獲得した。

保守派の祖国・共和国連合(IRL)は得票率13.7%で、9議席減の14議席に後退した。

投票率は63.7%と、2011年の前回選挙(63.5%)とほぼ同じだった。

ロイバス首相は、連立提携に向けて、中央党以外のすべての政党と交渉する姿勢を示している。対外政策では各党ともほぼ一致しているものの、経済政策で違いがある。新党2党が議会に加わったことで、調整は以前より難しくなりそうだ。

今回の選挙では、ウクライナ紛争を背景に、外交・安全保障政策が一大争点となった。エストニアは国民の約4分の1がロシア系住民で、ロシア国境の都市ナルヴァではその比率が9割を超える。このため、ロシアによるクリム半島併合を機に、国民が警戒心を強めているという事情がある。改革党は北大西洋条約機構(NATO)軍の国内配備強化を、中央党はロシアとの関係改善を訴えていた。