ロシア実業家のボリス・ミンツ氏率いる不動産投資会社O1グループと、オーストリアの系列会社CAイモビリエンは2月24日、オーストリア不動産最大手イモフィナンツへの出資を検討していることを明らかにした。株式15%を23日終値(2.51ユーロ)に近い価格で取得することを提案する方針だ。
同水準の価格で取引が成立すれば、取得額は4億2,000万ユーロとなる。ただ、株主側の要求が高いため、関係者は少なくとも1株3ユーロ台での取引になるとみている。
O1グループは先月10日、CAイモの株式26%を1億8,000万ユーロで買収したばかり。このため、今月退任したばかりのツェヘトナー・イモフィナンツ前社長は、同社への投資計画がCAイモとの合併および墺不動産業界の再編を視野に入れたものとみている。この関連で、O1がオーストリア最小の不動産会社Sイモを取得する可能性もあるという。
イモフィナンツは最重要市場であるロシアの景気悪化で2014年10月中間期に3,000万ユーロの純損失を計上した。今後も通貨ルーブル安が業績を圧迫する見通しだ。同社は他にドイツ、オーストリア、東欧で事業を展開している。時価総額は約28億ユーロ。