2015/3/11

自動車

スロバキア自動車産業、今後は部品生産がカギに

この記事の要約

スロバキア自動車産業が堅調を維持している。スロバキア自動車工業会(ZAP)の推算によると、対ロシア輸出が大きく後退したにも関わらず、2014年の生産台数は約97万台と2%の減少にとどまった。ただ、国内自動車製造3社(フォ […]

スロバキア自動車産業が堅調を維持している。スロバキア自動車工業会(ZAP)の推算によると、対ロシア輸出が大きく後退したにも関わらず、2014年の生産台数は約97万台と2%の減少にとどまった。ただ、国内自動車製造3社(フォルクスワーゲン、起亜自動車、PSAプジョーシトロエン)の生産能力が限界に達していることから、ZAPでは部品生産の拡大が今後の業界成長のカギを握るとみている。

ZAPによると、スロバキアでは現在、部品メーカー約320社が事業を展開する。主な生産品目は車体部品、電子システム、ケーブル、内装部品、変速機、排気部品などで、2013年の業界売上高は85億ユーロと2010年比で40%拡大した。統計局によると、14年1-11月期も生産高は前年同期比で4%増加した。

毎月、複数の部品メーカーの進出が発表されており、今後も成長が期待できそうだ。最近では星宇(ソンウ)ハイテック、現代ダイモスなど韓国勢が目立つ。また、ある中国メーカーがポーランド国境に近いスタラー・リュボフニャでエアコン部品を製造する計画を検討しているという。

ZAPでは部品産業の成長に向けて政府への働きかけを強めている。具体的には、国の技術開発政策の一環として自動車開発センターを設置し、小規模部品メーカーの開発費負担の軽減を図るよう求めている。

■乗用車販売は9%増

スロバキアの14年乗用車販売台数は前年比9%増の7万2,000台となり、これまでで2番目に多い数値を記録した。ブランド別ではシュコダが1万5,000台でシェア21%を握り、トップを維持した。

伸び率が最も大きかったのはマツダで49%増加した。セアト(38%)、ダチア(35%)も販売を急速に伸ばした。