2015/3/18

ロシア

ロシア2位銀行VTB、14年黒字額は大幅減

この記事の要約

ロシア第2位の金融機関であるVTB銀行が13日発表した2014年12月期の純利益は8億ルーブル(1,230万ユーロ)にとどまり、前年実績を99.2%下回った。9-12月期に限ると46億ルーブルの損失を計上した。四半期決算 […]

ロシア第2位の金融機関であるVTB銀行が13日発表した2014年12月期の純利益は8億ルーブル(1,230万ユーロ)にとどまり、前年実績を99.2%下回った。9-12月期に限ると46億ルーブルの損失を計上した。四半期決算の赤字は金融危機に揺れた2009年以来、初めて。

純金利収入は9.7%増の3,543億ルーブルに拡大した。その背景には貸出総額が38.2%増の9兆1,500億ルーブルに急増したことがある。営業利益も27.5%増の5,475億ルーブルに伸長した。

一方で、不良債権引当金繰入額が前年の992億ルーブルから2,754億ルーブルへ3倍化した。景気悪化で不良債権比率が1.1ポイント増の5.8%に膨らんだためだ。

自己資本利益率(ROE)は前年の11.8%から0.1%へ急落した。

■景気後退が銀行を直撃

ウクライナ紛争に関連する欧米諸国の対ロシア制裁で、VTB銀やズベルバンクなどロシアの銀行は、国際金融市場における資金調達が大きく制限されている。制裁が近く解かれる気配はなく、今年の業績見通しは暗い。

銀行と同様、企業も国外での資金調達が困難で、ロシアの銀行に対する債務履行が滞るケースが増えている。一方で、通貨ルーブル安を食い止める目的で中央銀行が金利を大きく引き上げたため、預金金利も上昇している。さらに、銀行の倒産を恐れて顧客の中に預金を引き出す動きも出てきた。政府はすでに、金融危機を防止・抑制するため大手27銀行に対する総額1兆ルーブルの銀行救済プログラムを実施している。

ロシア金融業界の損益は今年1月に236億ルーブルの赤字となり、12月のマイナス1,916億ルーブルに続いて2カ月連続の損失を記録した。

昨年の経済成長率は0.6%とわずかながらプラスを記録した。しかし、今年について中銀は最大5.8%のマイナスを予測。経済研究者の中には最悪で7%の縮小を予想する声もある。(1RUB=1.95JPY)