2015/3/25

総合・マクロ

ロシアが通貨同盟を提案、ベラルーシとカザフスタンに

この記事の要約

ロシアのプーチン大統領は20日、ベラルーシとカザフスタンの首脳に対し、通貨同盟の結成を検討するよう呼びかけた。 3カ国は、経済統合を目指す「ユーラシア経済同盟(EEU)」の創設メンバー。カザフスタンの首都アスタナで開かれ […]

ロシアのプーチン大統領は20日、ベラルーシとカザフスタンの首脳に対し、通貨同盟の結成を検討するよう呼びかけた。

3カ国は、経済統合を目指す「ユーラシア経済同盟(EEU)」の創設メンバー。カザフスタンの首都アスタナで開かれた首脳会談後の記者会見でプーチン大統領は、「通貨同盟の創設について検討する時が来た」と発言。3カ国が協力することで、「外部からの金融、経済的脅威に対処し、共通市場を守ることが容易になる」とメリットを強調した。

首脳会談では主に経済問題が話し合われた。プーチン大統領は、世界的な景気減速、コモディティ(商品)価格の下落などの影響により、独立国家共同体(CIS)の域内総生産は2015年に前年比1.4%減少するとの見通しを示した。カザフスタンのナザルバエフ大統領は、世界経済の減速に加えてウクライナ問題をめぐる欧米の対ロシア制裁、石油・天然ガス価格の下落がEEU加盟国に打撃を与えていると指摘したうえで、今年はEEUの発展モデルの「耐久性」が試される年になるとの認識を示した。

ロシアは米国や欧州連合(EU)、中国に対抗しうる経済圏の創出を目指し、旧ソ連諸国の再結集を図っている。EEUにはロシア、カザフ、ベラルーシのほかアルメニアが加盟しており、キルギスも5月に加盟することが決まっているが、主導国であるロシアの経済が悪化するなか、加盟国が足並みを揃えて協力関係を深化させることができるかは不透明な情勢だ。