クロアチア政府が国営電力会社HEPの上場を計画している。年内にザグレブとロンドンの証券取引所に上場し、株式25%を新規株式公開(IPO)で売り出す予定という。国有資産管理公社のペイノヴィッチ所長が14日、ブルームバーグ通信とのインタビューで明らかにした。
ペイノヴィッチ所長によると、政府はIPOにより20~30億クナ(約2億6,400万~3億9,600万ユーロ)の売却収入を見込んでいる。出資売却の目的は債務状況改善だが、HEPは近隣のスロベニア、ボスニア・ヘルツェゴビナ、モンテネグロでの買収を狙うなど大型投資を計画していることから、同社に再投資する可能性もあると見られる。
IPOでは米投資銀行モルガン・スタンレー、現地ザグレブ銀行、露ズベルバンクがアドバイザーを務める予定で、すでに欧米の投資銀行や投資ファンドが関心を示しているという。
政府はHEP以外の国営企業の出資売却も急いでいる。2013年末に応札価格が安すぎるとして墺エルステ銀行への売却を断念したポストバンクは早ければ6月に再入札となる可能性がある。国内肥料最大手のペトロケミヤも長期戦略を持つ投資家を探している。(1HRK=16.84JPY)