2015/5/13

総合・マクロ

中国・習主席がロシア訪問、経済関係強化で合意

この記事の要約

中国の習近平主席は7日から9日にかけてロシアを公式訪問し、両国の経済関係を強化することでプーチン大統領と合意した。また、9日にモスクワで開かれた終戦70周年式典に出席したほか、9月3日に中国で開く対日戦勝記念式典にプーチ […]

中国の習近平主席は7日から9日にかけてロシアを公式訪問し、両国の経済関係を強化することでプーチン大統領と合意した。また、9日にモスクワで開かれた終戦70周年式典に出席したほか、9月3日に中国で開く対日戦勝記念式典にプーチン大統領を招待するなど、友好関係を強調した。

両国は、中国の対ロシア企業融資を拡大することで協定を結んだ。欧米の対ロ制裁・原油価格下落で打撃を受けた企業への融資が中心で、政府系のロシア直接投資基金(RDIF)によると、向こう3年間の融資規模は最大250億ドルに上る。

ロシア直接投資基金(RDIF)とロシア・中国投資基金(RCIF)、中国・黒龍江省政府は、農業プロジェクト向けに総額20億ドルの投資基金を設定することで契約を結んだ。両国におけるプロジェクトを支援するほか、黒龍江省とロシア・アムール州の国境沿いに農産物の自由貿易区を設置することを検討する。ズベルバンクは60億元(9億9,600万ドル)の融資枠を設定する。

西シベリアから新疆ウイグル自治区を通る「アルタイ・パイプライン(西ルート)」を新設してロシア産天然ガスを中国に供給する計画については、ガスプロムが中国石油天然気集団(CNPC)と主要条件で合意した。

モスクワ―カザン間の鉄道路線整備プロジェクトでは、総額1兆ルーブル(200億ドル)の投資額のうち、中国が3,000億ルーブルを供与する。同路線は2020年までに開通する予定だ。

■カザフとベラルーシも訪問

習主席はまた、自らの提案する「シルクロード経済圏」の実現に重要なカザフスタンとベラルーシも訪問した。

カザフスタンでは新たな協定・契約などは結ばれなかったが、両国関係の重要性を相互に確認した。

ベラルーシでは、同国企業に対する融資額を30億ドル拡大するほか、銀行の法人融資資金として40億ドルを貸し付けることを決めた。うち10億ドルはベラルーシ開発銀行と、商業銀行のASBベラルースバンクへの融資となる。

両国の中央銀行はまた、70億元(約11億ドル)の通貨スワップ協定を締結した。

さらに、今年3月に基本合意したベラルーシ産カリ肥料の調達(期間5年)でも、正式に契約が結ばれた。(1CNY=19.6JPY)