2015/7/8

バルト三国

EU、バルト3国縦断鉄道計画に5.5億ユーロ助成

この記事の要約

欧州連合(EU)はこのほど、バルト3国を縦断する鉄道整備計画「レール・バルティカ」に約5億5,000万ユーロを助成すると発表した。域内のエネルギー・交通・通信インフラを強化する「コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ( […]

欧州連合(EU)はこのほど、バルト3国を縦断する鉄道整備計画「レール・バルティカ」に約5億5,000万ユーロを助成すると発表した。域内のエネルギー・交通・通信インフラを強化する「コネクティング・ヨーロッパ・ファシリティ(CEF)」の一環として支援するもので、負担額は総額の8割に上る。CEF委員会により10日、正式決定される見通しだ。

欧州委員会の勧告書によると、バルト3国が参加するレール・バルティカの事業会社RBレール(ラトビア)に対し、4億4,223万ユーロを供与する。プロジェクト策定・建設作業が対象で、総予算(5億4,944万ユーロ)に対する助成比率は80.4%に上る。

また、リトアニア鉄道(LG)が実施するポーランド国境―リトアニアのカウナス区間の鉄道敷設工事と、カウナス―ラトビア国境区間のプロジェクト策定に対しては、1億617万ユーロを助成する。ここでも総費用(1億2,491万ユーロ)に対する助成比率は84.9%と高い。

レール・バルティカは、EUの汎欧州輸送ネットワーク(TEN-T)計画の重要なプロジェクトのひとつ。ベルリンからワルシャワを経由し、カウナス、ラトビアの首都リガ、エストニアの首都タリンを抜けてヘルシンキに至る本線と、リトアニアの首都ヴィリニュスに伸びる支線から成り、全長は700キロメートルを超える。準備作業を経て、2020年に着工、25年の開通予定で、欧州標準軌(1,435ミリ)を採用する。(東欧経済ニュース2014年11月5日号「バルト3国、『レール・バルティカ』で合弁会社設立」を参照)