ロシア中央銀行直轄の決済機関、国家決済カードシステム(NPCS)は7日、新しい決済カード「ミール(Mir)」の発行でクレジットカード大手のジェーシービー(JCB)と提携すると発表した。JCBが持つ既存のネットワークを利用することで利便性を高める一方、JCBはロシアのカード決済市場における地位を強化する。
今回の提携で、ミールの保有者はJCBカードの契約店での支払いが可能になる。JCBによると、同社の契約店舗数は昨年9月時点で世界190カ国、約2,750万店に上る。
ロシアでは昨年、米クレジットカード大手のビザとマスターが、対ロ制裁の対象となった2銀行と取引を停止した。これを受けて政府は独自決済システムの構築を計画し、昨年末にNPCSを設立。今年4月からは新システムの稼働を開始し、5月にはミールカードの発行計画を明らかにしていた。
米調査会社ニールソンによると、JCBカードによる昨年の決済回数は23億回。2019年までに47億回へと倍増する見通しだ。