2015/8/19

ハンガリー

墺エルステ銀、ハンガリーで抵当銀行設立へ

この記事の要約

オーストリア銀行大手エルステ銀行のハンガリー子会社はこのほど、抵当銀行設立をハンガリー中央銀行に申請したと発表した。来年10月1日付で不動産融資に対する長期資金の適正比率を定める制度(MFAR)が導入され、不動産抵当ロー […]

オーストリア銀行大手エルステ銀行のハンガリー子会社はこのほど、抵当銀行設立をハンガリー中央銀行に申請したと発表した。来年10月1日付で不動産融資に対する長期資金の適正比率を定める制度(MFAR)が導入され、不動産抵当ローンの融資資金の最低15%を抵当証券で調達することが義務付けられるためだ。抵当銀行設立はOTP銀行、不動産抵当銀行(FHB)、伊ウニクレディトに続き4行目となる。

ハンガリーではスイスフラン高騰により同通貨建て住宅ローンの返済負担が増大し、社会問題となった。解決策として、銀行はローンを顧客に有利な条件でフォリント建てに組み替えることを義務付けられたものの、住宅ローンの融資資金として主に短期資金である顧客預金を充てた場合、銀行の資金流動性リスクが高まる懸念がある。

ハンガリー中銀がMFAR導入を決めた狙いは、抵当証券の利用拡大を通して銀行の長期資金繰りを安定化させることだ。同国の規制上、銀行は傘下の抵当銀行を通して抵当証券を発行しなければならないことから、今後、抵当銀行の新設が増えることが予想される。中銀は、MFAR15%の達成には、総額約3,000億フォリント(約9億6,500万ユーロ)の抵当証券を発行する必要があるとみている。(1HUF=0.45JPY)