2015/8/19

ロシア

VTB銀が予想外の黒字計上、貸倒引当金の減少で

この記事の要約

ロシア銀行2位のVTBが18日発表した2015年4-6月期の最終利益(国際会計基準)は12億ルーブル(1,650万ユーロ)となり、アナリスト予想に反する黒字決算となった。中央銀行の金利引き下げにより利ざやが増えたことに加 […]

ロシア銀行2位のVTBが18日発表した2015年4-6月期の最終利益(国際会計基準)は12億ルーブル(1,650万ユーロ)となり、アナリスト予想に反する黒字決算となった。中央銀行の金利引き下げにより利ざやが増えたことに加え、貸倒引当金繰入額が減ったことが主因だ。前年同期比では74%の減益だった。また、1-6月期では171億ルーブルの赤字となった。

VTBは、不景気による不良債権の急増と、欧米諸国による対ロ制裁で国際金融市場での資金調達が難しくなったことで利益が急減し、2014年10月以来、2四半期連続で赤字を計上していた。

当期貸倒引当金繰入額は前期の480億ルーブルから310億ルーブルに減少した。ただ、期末時点の不良債権比率は前期末の6.4%から7%へ悪化しており、繰入額が再び増加する危険がある。

利ざやは中央銀行が3月以来、主要政策金利を引き下げたことで、前期の1.7%から2.5%へ改善した。6月末の貸出残高は8兆3,000億ルーブルで、3月末に比べて3,000億ルーブル縮小した。

中核的自己資本比率(Tier1)は10.1%で、3月末から0.4ポイント上昇した。(1RUB=1.90JPY)