2015/10/21

ポーランド

ポーランド4G免許、5社が取得

この記事の要約

ポーランド電気通信庁(UKE)は19日、第4世代(4G)移動通信規格LTE(ロングターム・エボリューション)の周波数免許を、オレンジ・ポルスカ、ポルコムテル、P4、Tモバイル、ネットネットの5社に付与したと発表した。期間 […]

ポーランド電気通信庁(UKE)は19日、第4世代(4G)移動通信規格LTE(ロングターム・エボリューション)の周波数免許を、オレンジ・ポルスカ、ポルコムテル、P4、Tモバイル、ネットネットの5社に付与したと発表した。期間は15年。免許料総額は当初予測の6倍に相当する92億ズロチ(21億7,000万ユーロ)に高騰した。このため、電機通信料金が上昇する懸念が浮上している。また、長引く競売を終わらせるため政府が期限を切ったことで、参加企業や株主が告訴を検討しており、裁判にもつれ込む可能性も出ている。

これまでLTEに適した周波数帯を持っていなかったオレンジは、今回、800メガヘルツ(MHz)の2帯域と2,600MHzの3帯域をそれぞれ30億5,100万ズロチ、1億1,700万ズロチ強で取得した。費用は仏親会社の供与による既存・新規の融資枠でまかなう。

ツィフローヴィ・ポルサット傘下のポルコムテルは800MHzの1帯域を20億5,300万ズロチで、2,600MHzの4帯域を1億5,600万ズロチで確保した。

P4は800MHzの1帯域を14億9,600万ズロチで、2,60MHzの4帯域を2億2,200万ズロチで取得した。

Tモバイルは800MHzの1帯域を20億2,200万ズロチで、2,600MHzの3帯域を1億1,600万ズロチで握った。

ネットネットは800MHzの1帯域を20億5,300万ズロチで抑えた。同社はツィフローヴィ・ポルサットの大株主の息子であるシモン・ルタ氏が率いている。

放送網事業者エミテルの子会社ハブ・インベストメントは競売に参加したが、取得には至らなかった。また、ポルコムテルは途中から800MHz帯域の独自取得をあきらめ、他社との提携でアクセスを得る方針に転換した。

UKEは今年2月10日に競売手続きを開始した。参加する全社が提示価格引き上げをやめるまで継続するはずだったが、その気配が見えないままに時間が経過していった。このため、先月、ハリツキ内政・デジタル化庁長官が115日以内に競売手続きを終了することを決定。P4とポルコムテルは「ゲーム途中のルール変更」を不当として強い不満を表明していた。

ポーランドは移動通信サービス利用者が1,570万人と、中東欧でも規模が大きい有望市場だ。しかし、業界専門家からは、競売の長期化による免許料の高騰は事業者の経費を増大し、利用者の負担につながると指摘する声が出ていた。(1PLN=31.94JPY)