工業用ポリマー製品大手のトレルボルグ(Trelleborg:スウェーデン)は9日、チェコのタイヤ・産業用ゴムメーカーのCGSホールディングを買収すると発表した。109億スウェーデンクローネ(12億ユーロ)を現金で支払い、債務は引き継がない。当局の承認を経て、来年上半期中に手続きを完了する。3年後には買収によるシナジー効果が年3億クローネを超えるとみている。
CGSはプラハに本社を置くゴム大手で、国内で農機タイヤのミタス(Mitas)と産業用ゴムのルベナ(Rubena)、スロベニアでゴムコンパウンドとコンベアベルトのサヴァテック(Savatech)を傘下に置く。タイヤ生産では自社ブランドのほか、独コンチネンタルのライセンス生産も手掛ける。
欧州に11工場、米国とメキシコに各1工場を持つ。従業員数は6,300人。2014年7月~15年6月の売上高は56億クローネ、営業利益率(EBITベース)は16%に達した。
トレルボルグによると、CGS獲得によりタイヤ子会社のホイールシステムズは農機向けタイヤで世界トップに浮上するほか、産業用タイヤで世界一の地位をさらに固める。また、売上高は約2倍に増える見通しだ。