2015/11/25

ルーマニア・ブルガリア・その他南東欧・トルコ

スイス電子部品メーカーのシコール、ルーマニア工場を拡張

この記事の要約

スイスの電子部品メーカーでプリント基板などを手掛けるシコール(Cicor)は24日、ルーマニア生産強化を含む新戦略を発表した。スイスフラン高で財務への圧力が高まる中、量産品の国外生産でコスト削減を図る。スイスでは開発事業 […]

スイスの電子部品メーカーでプリント基板などを手掛けるシコール(Cicor)は24日、ルーマニア生産強化を含む新戦略を発表した。スイスフラン高で財務への圧力が高まる中、量産品の国外生産でコスト削減を図る。スイスでは開発事業に力を入れる。

シコールは同時に、EBITDAベースの営業利益率で10%以上を確保する中期目標を発表した。高い技術力と多岐にわたるサービスを通じ、成長著しいニッチ分野で地位を固める意向だ。顧客との共同開発では、より高度な製品に軸足を移していく。

国外への生産移管では、東欧やアジアの工場で量産品を手掛ける方針だ。ルーマニア西部のアラドでは新工場棟を建設し、来年末までに生産能力を倍増する。

シコールは1966年の創業。医療機器、時計、製造業、防衛、航空宇宙、自動車などの産業向けに基板、集積回路、電子モジュール部品の受託生産と技術ソリューションを提供している。2008年にシンガポールのESGホールディングを子会社化してアジア事業を設立し、シンガポール、インドネシア、ベトナムでの生産を開始した。また、2012年には中国・蘇州工場を開所した。

2015年上半期の売上高は前年同期比10%減の9,210万フランに減少。営業利益(EBIT)は22%減の340万フラン、最終利益は66%減の60万フランに激減した。

スイス通貨フランは同国中央銀行が今年1月に上限措置を撤廃したことで急騰した。対ユーロ相場は現在、年初と比べ、約10%高くなっている。