2015/12/9

総合・マクロ

ガスパイプラインの建設加速へ、トルコとアゼルバイジャンが合意

この記事の要約

トルコのダウトオール首相は3日、アゼルバイジャンのアリエフ大統領と会談し、同国産天然ガスをトルコ経由で欧州に輸出する「アナトリア横断パイプライン(TANAP)」の建設を加速することで合意した。ロシアとの関係が悪化する中、 […]

トルコのダウトオール首相は3日、アゼルバイジャンのアリエフ大統領と会談し、同国産天然ガスをトルコ経由で欧州に輸出する「アナトリア横断パイプライン(TANAP)」の建設を加速することで合意した。ロシアとの関係が悪化する中、同国へのエネルギー依存を弱める狙いがある。

TANAPはトルコの東西を横断して欧州に伸びる全長1,850キロメートルのパイプラインで、総工費は約100億米ドル。アゼルバイジャンのカスピ海油田が供給する天然ガスを輸送する。輸送規模は年160億立方メートル。ダウトオール首相は記者会見で、稼働開始時期を当初予定の2018年から前倒しすると述べた。

トルコ空軍が先月24日にロシアの爆撃機を撃墜したことから、露土両国の関係は急速に悪化している。ロシア政府は3日、報復措置として黒海海底のトルコ向け新パイプライン敷設計画「トルコ・ストリーム」の凍結を発表した。トルコはドイツに次ぐロシア産ガスの大口輸入国で、昨年の輸入量は274億立方メートルに上った。

トルコはカタールから輸入する液化天然ガス(LNG)の量も拡大する方向で、国営ガス会社BOTASは2日、エルドアン大統領のカタール訪問に合わせて現地企業と覚書を交わした。