2015/12/16

総合・マクロ

ブルガリア―ギリシャ天然ガスパイプライン着工へ

この記事の要約

ブルガリア国営のブルガリア・エナジー・ホールディングス(BEH)とギリシャ・ガス公社DEPA、伊エディソンの合弁会社ポセイドンは10日、ブルガリアとギリシャを結ぶ天然ガスパイプライン「ギリシャ・ブルガリア連絡パイプライン […]

ブルガリア国営のブルガリア・エナジー・ホールディングス(BEH)とギリシャ・ガス公社DEPA、伊エディソンの合弁会社ポセイドンは10日、ブルガリアとギリシャを結ぶ天然ガスパイプライン「ギリシャ・ブルガリア連絡パイプライン(ICGB)」建設の最終契約に調印した。両国のガス輸送網を結合することで、ブルガリアは新たな調達先を得る。また、ギリシャはブルガリアを通じて欧州送ガス網へのアクセスを確保する。

ICGBへの出資比率は、BEHが50%、DEPAとエディソンが各25%。総工費2億2,000万ユーロのうち、欧州連合(EU)が4,500万ユーロを助成する。また、ブルガリア政府は来年末までに事業会社が借り入れる資金に対し、2億1,500万レフ(1億2,100万米ドル)を限度に信用を供与する。

パイプラインはギリシャ東部のコモティニとブルガリア中部のスタラ・ザゴラを結ぶ全長180キロメートル。2018年に稼働予定で、アドリア海横断パイプライン(TAP)を経由して、アゼルバイジャン産ガスを輸送する。当初輸送能力は30億立法メートルだが、ブルガリアのボリソフ首相は、将来的に輸送能力を200億立法メートルまで引き上げる意向を示している。

ブルガリアをはじめ、南東欧諸国では天然ガス調達のロシア依存が極めて強い。このため、他の調達先の開拓がエネルギー政策上の重要項目となっている。ブルガリアはこの動きに沿い、自国をガス輸送のハブにすることを目指している。ルーマニアのガス網と連結するパイプラインは来年に、セルビアと連結するパイプラインは2018年に完工する見通しだ。(1BGN=67.69JPY)(東欧経済ニュース14年1月15日号「TAPとICGBが提携、天然ガスパイプライン連結へ」を参照)