オーストリアの石油大手OMVは12日、トルコの石油製品販売子会社ペトロール・オフィシ(Petrol Ofisi)を売却する計画を発表した。「下流事業の再編と上流事業への集中」を掲げるグループ戦略に沿うもので、株式の最大100%を手放す。買収にはアゼルバイジャン国営石油企業のソカール(SOCAR)が関心を示している。
OMVは2006年にオフィシの株式34%を約8億8,400万ユーロで買収し、11年に出資比率を100%へ引き上げた。しかし、トルコ当局によるエネルギー価格の統制や、トルコに製油所を持たない事情から利益が伸び悩み、昨年の決算では同社の評価替えを余儀なくされた。
オフィシはガソリンスタンド1,785店舗を展開し、自動車燃料小売市場で最大シェアを握る。潤滑油販売でも国内最大手で、企業・メーカー向けの燃料供給でも上位に位置する。昨年の販売総量は1,000万トンを超えた。燃料の貯蔵・輸送事業では国内に100万立法メートル超の貯蔵能力を有する。