トルコとロシア、関係改善へ

トルコのエルドアン大統領は9日、訪問先のロシア・サンクトペテルブルクで同国のプーチン大統領と会談し、トルコによるロシア軍機撃墜を受けて悪化した両国関係を改善することで合意した。両首脳の顔合わせは撃墜事件後で初めて。会談ではまた、政府系のロシア直接投資ファンド(RDIF)とトルコの建設大手ルネッサンス・ホールディングが医療とインフラ分野で4億米ドル規模の共同事業を推進することも確認した。

エルドアン大統領にとって今回の訪ロは先月15日のクーデター未遂事件後で初の外遊となる。事件の混乱が尾を引く中であえて同国を訪問することで、関係修復に向けた熱意を示した格好だ。

昨年11月にトルコ―シリア国境でトルコ空軍がロシア軍機を撃墜した事件を受けて、ロシア政府は今年1月からトルコ産農産物の禁輸や、年間約3,300万人に上るロシア人観光客のトルコへの渡航禁止などの経済措置を発動。黒海海底のトルコ向け新パイプライン敷設計画「トルコ・ストリーム」の凍結を発表するなど、報復を強めていた。しかし、6月末にエルドアン大統領がプーチン大統領に対し撃墜を謝罪する書簡を送ったことでプーチン大統領の態度が軟化。7カ月ぶりの電話会談が実現していた。

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