オランダの上院は5月30日、欧州連合(EU)とウクライナの「連合協定」批准を賛成多数で承認した。これによって同協定はEU全加盟国が批准し、ようやく全面的に発効する見通しとなった。
EUとウクライナの連合協定は、自由貿易協定(FTA)を柱とするもの。双方は2014年6月に調印し、EUではオランダを除く27カ国が批准した。しかし、オランダでは同協定がウクライナのEU加盟につながり、これに反対するロシアとの軋轢が生じるとして反対運動が拡大。16年4月に実施された国民投票で批准が否決された。このため、部分的にFTAだけが発効するという状態が続いていた。
オランダのルッテ首相は世論の懸念に考慮し、EUと協議した結果、同協定がウクライナの加盟に直結せず、EUがウクライナの防衛義務を負わないことなどを確認する文書が昨年末にEUで採択された。これを受けて、下院が3月に批准を承認。続いて上院でも承認され、批准手続きを終えた。
EUとウクライナは7月の首脳会議で、協定の全面発効に向けた手続きを完了する予定。オランダ政府筋によると、9月1日付けで発効する見通しだ。