スロバキア財務省所管の金融政策研究所(IFP)は先ごろ発表した経済見通しで、今年の国内総生産(GDP)成長率は家計消費、輸出及び民間投資にけん引され4.2%に達するとの予測を明らかにした。消費の拡大に加え、欧州の景気見通しが明るいことや、同国に拠点を置く独自動車大手フォルクスワーゲン(VW)の増産などを背景に輸出が増加し、GDPの成長を後押しするとしている。
IFPは、英自動車大手ジャガーランドローバー(JLR)の設備投資やブラチスラバ市内の環状道路の建設工事開始などを踏まえ、投資の増加が前年から加速すると予想する。一方、政府支出の伸びは緩慢で、過熱気味の景気を抑制するものになるとしている。
2019年の見通しについては、国外での需要拡大と国内自動車メーカーの生産増が輸出を後押しし、成長率は4.5%に達するとみている。家計消費の伸びは3%を上回る一方、主要自動車メーカーの設備投資が一服することから投資は減速する見通しだ。
雇用については今年も前年比1.7%増と大きく伸びると予想する。サービス部門を中心に4万人の雇用が新たに生まれる見込みだ。また、人手不足を背景に、国外における同国出稼ぎ労働者の数が減少する一方、国内での外国人労働者の数が増加するとみている。
今年の失業率は7.3%、平均給与額(名目)は伸び率が経済危機後最高の5.4%に達し、月額1,000ユーロを上回ると予想されている。