ITセキュリティ大手カスペルスキー、スイスにデータセンター設置

ロシアのITセキュリティ大手カスペルスキーがスイスにデータセンターを開設する。ロイター通信が21日、入手した内部資料をもとに報じた。計画はすでに同社トップの承認済みで、数カ月中に発表されるもようだ。国外に重要拠点を設立することで自社の透明性をアピールする目的とみられる。

カスペルスキーを巡っては昨年末、同社がロシア諜報機関の不正な情報収集に協力しているとの見方が強まり、米国、英国、リトアニアが民政機関やインフラ分野のコンピューターにおける同社製品の使用禁止を決めた。

内部資料によると、スイスのデータセンターでは米国と欧州連合(EU)を対象に、数千万に上る同社顧客のコンピューターで検出された疑わしいファイルを収集・分析する。業務の第三者監査も行う計画だ。その他の地域の顧客のデータについては引き続きロシア国内で対応する。

同社広報は直接のコメントを拒否したうえで、今年欧州に同社初のトランスペアレンシーセンターを開設し、企業の透明性確保に尽力する計画であることを明らかにした。同社は昨年10月、ロシア政府との共謀疑念を払しょくするため、ソフトの脆弱性に関する外部監査の実施を約束し、アジア、欧州、米国にトランスペアレンシーセンターを開設する意向を示していた。

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