ルノー、主力車クリオのトルコ生産移管を推進

仏自動車大手ルノーが小型車「クリオ」の生産の大部分をフランスからトルコに移管する計画だ。複数の関係筋の話をもとにロイター通信が16日に伝えた。同関係筋によると、ルノーがパリ近郊フリンに持つ主力工場では今後、全工程を扱う代わりに国外にある工場から部品を運び込み、完全ノックダウン方式(CKD)で生産することになる可能性がある。

計画ではトルコのイスタンブール南郊にあるブルサ工場にクリオの生産を移管する。ルノーは2010年にクリオの生産をすべて海外に移す計画を発表したが、雇用維持を求める株主のフランス政府の意向を受けて断念した経緯がある。今回同社はクリオの生産減を電気自動車(EV)モデルの生産増で補うとし、政治的な配慮を示している。同社のデザイン担当者はクリオのEVモデルについて、コネクティビティや自動走行に関連した装置を搭載するためインテリアに大きな変更が加えられると述べた。

昨年のクリオの全生産量に占めるフリン工場の割合は約15%だった。関係者によると、クリオの最新モデル(第5世代)に関しては94%をブルサ工場とスロベニアのノボメスト工場で生産し、フリン工場の割合は6%にとどまる見通しだ。計画を知る関係者は「国外の2工場が需要を満たせない場合にフリン工場が生産を補う形になる」との見方を示した。

ルノーの広報担当者はクリオの生産については何も決定されていないとした上で、「まだ検討中でありいずれのコメントも不完全で間違ったものだ」と述べた。

クリオの昨年の欧州販売台数は独フォルクスワーゲン(VW)の「ゴルフ」に次ぐ2位。1990年以来累計で1,500万台を販売している。

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