医薬品流通大手の独フェニックス、ルーマニアに進出

独医薬品流通大手のフェニックスは20日、ルーマニアの医薬品卸ファームエクシム(Farmexim)と薬局チェーン、ヘルプネット・ファーマ(Help Net Farma)を、創業者のオヴィデュ・ブルツ氏から買収し、同国に進出すると発表した。東欧事業を強化する戦略の一環だ。取引額は明らかにされていないが、現地経済紙『ジアルル・フィナンチャル』によると1億ユーロを超えた可能性がある。競争当局の承認を経て手続きを完了する。

ファームエクシムは1990年に創業されたルーマニア初の民間医薬品輸入販売事業者で、従業員数は約800人。2016年は4億ユーロを超える売上高を計上した。国内10カ所で配送センターを運営し、病院・薬局を中心に約3,900機関・社と取引がある。

ヘルプネット・ファーマは医薬品小売事業者として国内5指に入る大手で、薬局220店舗を展開する。従業員数はおよそ1,600人。

フェニックスは2015年から17年にかけてスロバキア、ハンガリー、モンテネグロ、セルビアで企業を買収したほか、セルビアの首都ベオグラード郊外に物流センターを新設するなど、東欧事業を急速に拡大している。

これまでに、本国ドイツを含む欧州26カ国で拠点を築き、うち13カ国では小売事業も手がける。欧州152カ所で配送センターを運営し、3万4,000人を雇用する。2017年1月期の売上高は244億ユーロを超えた。

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