チェコ中央銀行は12日発表した最新の「金融安定性報告書」で、金融機関に貸し倒れリスクに備えてカウンターシクリカル(反景気循環的)資本バッファーの積み増しを求めることを明らかにした。
反景気循環的資本バッファーは、景気の下降局面に備えて銀行に自己資本の積み増しを求めるもので、チェコでは現在、与信額の0.5%を保留することが義務付けられている。中銀はこれを来月初めに1%、来年1月に1.25%、同7月に1.5%へ引き上げる方針だ。
金融業界の現状については、「急激に景気が縮小しても耐える力が高度に備わっている」と評価している。ただ、好況時に不良債権率が下がると、貸し出しリスクも小さくなったと誤解するケースが増え、リスク拡大に気づかないことがよくあると注意を促した。