トルコのガラス製造最大手シシェジャム(Sisecam)がインドで生産能力の増強を計画している。同社のキルマン取締役が3日、ロイター通信に対し明らかにしたもので、好調な現地の自動車産業向けにフロントガラスを供給する狙い。新設した溶解炉の稼働を通じて製品の多様化を進める。投資額は明らかにしていない。
インド自動車製造協会によると、同国の自動車生産量は過去最高の水準で推移している。また5月の乗用車販売数は前年同月比で20%増加した。
イスタンブールに本拠を置くシシェジャムは板ガラス(フロートガラス)生産で英NSGピルキントン、旭硝子、仏サンゴバン、米ガーディアンガラスと競合している。印子会社トラキアジャムの工場はフロートガラスと鏡を1日当たり600トン製造する。
シシェジャムは先月、印同業HNGフロートガラスの株式49.8%を8,540万米ドルで買収した。昨年11月にはイタリアの板ガラス大手サンガッリを1,570万ユーロで買収し、フロートガラス製造でイタリア2位に浮上している。
一方、同社はメキシコ進出を検討しているものの、米トランプ政権による輸入関税引き上げへの懸念から決定を見合わせている。
シシェジャムは家庭用ガラス製品製造で世界第3位、ガラス容器・板ガラス製造で同5位につける。2017年の生産量は480万トンに上った。中東欧ではブルガリア、ルーマニア、スロバキア、マケドニア、ボスニア・ヘルツェゴビナのほか、ドイツ、イタリアなど世界13カ国に43の生産拠点を構える。