バス製造のハンガリー・イカルス、会社更生法の適用を申請

ハンガリー革新技術省(ITM)は10日、会社更生法の適用を申請した民間バスメーカー、イカルス・エジェディ(旧マビ・バス)の要請に応え、同社を「戦略的重要企業」に認定したと発表した。これにより同社は資産が保全され、経営再建に取り組む前提が満たされたことになる。

イカルスは9日、資金難の解決に向けて会社更生法の適用を申請した。同時に債権者が同社経営陣の意向に反して破産手続き(清算手続き)をとれないよう、政府に「戦略的重要企業」への認定を要請していた。

イカルスは2017年2月に国営長距離バス会社のヴォラーンバスから180台を受注した。同12月にはブダペスト交通公社(BKV)がこのうち約30台を買い取ることで合意を結んだ。

国内大手MKB銀行の融資で増産体制を整えるはずだったが、今年4月の期限までに納入されたのはごくわずかだった。このため、BKVは11日の段階でイカルスへの発注取り消しを発表した。

現地経済紙『ヴィーラーグ・ガズダシャーグ』によると、先月18日時点でイカルスのMKB銀への債務残高は38億6,000万フォリント(約1,200万ユーロ)に上っている。

イカルス・エジェディは、2003年に閉鎖されたハンガリーの伝説的バスメーカー「イカルス」の後身企業ではない。マビ・バスが2016年に「イカルス」ブランドの商標権を持っていた国内企業ミュセルテヒニカ(Müszertechnika)から事業を買い取って吸収合併して誕生したが、同社との間で商標権をめぐる係争が継続している。(1HUF=0.41JPY)

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