リトアニア国営エネ企業、エストニアの仮想発電所運営企業に投資

リトアニアの国営エネルギー企業リエツボス・エネルギヤ(Lietuvos Energija)は先ごろ、同社が出資する投資ファンドを通して、エストニアのスタートアップ企業フューズボックス(FuseBox)に5万ユーロを投資したことを明らかにした。フューズボックスは、電力需給管理技術を使って電力系統上の様々な施設の間で電力の融通を図る「仮想発電所(VPP)」を運営する企業。1,500に上る施設で扱われる電力を統一的に融通するVPPの構築を目指している。同VPP発電容量は90メガワットとなる予定。

フューズボックスのタルボ・オング最高経営責任者(CEO)は、「バルト3国のエネルギーの大口需要家には、大規模発電事業者のように電力の売買を柔軟に行うインセンティブが欠けている」と述べた。同社の当初の提携先としては冷凍倉庫の運営事業者、ショッピングセンター、オフィスビルなどのエネルギー多消費型の企業が想定されている。

フューズボックスによると、今回得られた資金で研究開発やプラットフォーム構築などを進める予定。同社は2014年以来、バルト3国の電力市場における実現可能性調査や技術的な試験を実施してきた。

今回出資を行ったファンドを管理するコントラリアン・ベンチャーズ(Contrarian Ventures)のペキウライティス氏は、フューズボックスの事業は再生可能エネルギーの不安定性を化石燃料に代わってカバーするものだと述べた。

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