エストニアの首都タリンのタービ・アース市長はこのほど、今年7月に公共バスが全国的に無料化されたことで利用者が大幅に増加したとの見方を明らかにした。無料化された路線を利用した人の数が8月に33%増えたことが需要を掘り出した証拠とみている。利用者増加が路線周辺の発展につながるという期待も示した。
エストニアでは7月1日からすべての県営バス路線の利用が無料になった。首都タリンでは2013年以来、全国に先駆け、住民に限定して公共交通機関が無料化されており、今回の措置はこれを全国に広げた形だ。
アース市長によると、8月の利用者数は急増し、中には前年同月比で70%以上伸びた県もあった。「バス利用者は高齢者、若者など低所得の人が多く、結果として有効な社会政策にもなっている。30キロ離れた郊外から通勤する人の場合、年間700~800ユーロの負担軽減となる」とした上で、「来年からの路線増加により、その効果がさらに強く現れるだろう」と付け加えた。
改革党の批判に対しては、「この措置の必要性は、利用者が大幅に増加している事実が証明している。過去に、地方や小都市での生活はどんどん不便になってきた。公共サービスを復活させるのは公平だ」と述べた。