ロシアの石油化学大手シブールはこのほど、国内南西部にあるヴォロネジ工場の熱可塑性エラストマー(TPE)の年間生産能力を5万トン引き上げ、13万5,000トンに増強すると発表した。すでに基礎工事に着手したが、完成時期や投資額は明らかにしていない。
プロジェクトでは、屋根塗料・道路建設向け製品の幅を広げ、新たに樹脂コンパウンド・接着剤向け製品を開発する。これにより、高品質製品の多様化を図る。国内需要に対応するとともに、欧州のTPE市場への進出も狙っている。
TPEの用途の一つは、路面舗装材として使われる改質アスファルトの添加剤だ。通常3~4年の舗装寿命を6~7年に延ばすことができ、メンテナンスコストの低減や走行安全性にもつながることから需要が高まっている。
ヴォロネジ工場では現在、ラテックスの生産停止やゴム生産ラインの縮小で空いたスペースに最新設備を導入している。