VW、露カルーガ・エンジン工場の生産能力増強を検討

欧州自動車最大手の独フォルクスワーゲン(VW)が、モスクワ近郊カルーガにあるエンジン工場の生産能力を2倍に増強することを検討している。ロシア子会社のオセゴヴィッチュ社長が先ごろ、現地経済紙『ヴェドモスチ』のインタビューで明らかにした。国内自動車市場が順調に回復してきたことが理由で、投資規模は5億ユーロとなるもようだ。

VWは2009年、カルーガで本格的な車両生産に乗り出した。露政府による部品現地調達比率の引き上げ要請に応え、2015年にエンジン生産を開始した。年産能力は約15万基だが、ウクライナ紛争介入による経済制裁などの影響で国内自動車市場が大きく落ち込み、17年の生産台数は約10万3,000基にとどまった。現在は市場の回復とともに輸出も好調で、稼働率は高まっているもようだ。オセゴヴィッチュ社長によると、今年の輸出計画は5万基で、これまでの実績は3万8,000基に上る。

露政府は今年5月、新たな自動車産業発展戦略を打ち出し、生産の現地化をさらに進める方針を示した。経済省と産業貿易省が現在、同産業界への新たな投資インセンティブの策定に取り組んでおり、VWも投資決定の重要な要因として注視している。

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