独自動車大手のフォルクスワーゲン(VW)が新工場の立地としてブルガリア、トルコ、ルーマニアを検討しているもようだ。新工場は2022年以降に稼働し、グループの複数ブランドを手がけることになる。消息筋によると、VWのエンジン工場(ポーランド・ポルコヴィツェ工場、ハンガリー・ジュール工場など)を自動車工場に転換する可能性もあるという。
新拠点には、シュコダのチェコ・クヴァシニ工場から、シュコダ「カロック」とセアト「アテサ」の生産を移管する。従業員は4,000~5,000人になる見込みだ。
新工場の建設は、電気自動車(EV)戦略を進めるなかで浮上してきた。ドイツのハノーバー及びエムデンの工場でEVを生産するため、VW「パサート」の生産をクヴァシニ工場へ移管することになった。しかし、チェコでの増産が難しいため、同国以外に工場を設ける方向となった。
なお、クヴァシニ工場が複数ブランドを手がけることが多くなったため、どのグループ会社が工場を運営するかが議論になっている。もとはシュコダ自の工場とされてきたが、VWのドイツ労組がVWの管理下に置くよう要求の声をあげた。これに対してVWは「まだ結論は出ていない」とコメントしている。