セルビアが2019年の民間投資助成金を150億ディナール(1億2,600万ユーロ)に増額する。新年度財政予算に盛り込まれたもので、前年を25億ディナール上回り過去最高となる。現地日刊紙『ポリティカ』によると、民間企業約40社を対象とする予定だが、助成金の配分など詳細は不明だ。
セルビアは2006年、雇用創出に貢献する投資の促進を主眼とした助成制度を導入した。経済省の投資インセンティブ調査報告書によると、2006~16年の助成プロジェクトは314件で、このうち外国企業案件が165件。助成総額5億180万ユーロのうち対外国企業が9割を占めた。助成額は新規雇用1人あたりに換算すると3,000~7,000ユーロで、外国企業では平均6,795ユーロと高くなっている。
調査に関わったセルビア大学のフィリポヴィッチ経済学教授によると、助成プロジェクトは全体で8万2,000人超の雇用を生み出したが、多くは付加価値の低い単純生産工程に関わる製造業のため経済効果は限定的だ。同教授は革新的な製品やハイテク技術など付加価値の高い産業分野を優先するべきと指摘している。(1RSD=1.06JPY)