米フォード、ロシアで工場閉鎖か

米自動車大手フォードがロシアで展開する2工場の閉鎖を検討しているもようだ。不採算地域の事業を再編するグローバル戦略に沿うもので、実施した場合にロシアでは小型商用車のみを生産することになる。ロイター通信が5日報じたところによると、同社はロシア事業再編について今年第2四半期に決定する計画であることを認めたが、2工場の閉鎖についてはコメントを拒否した。

フォードは北米を除く全地域で4四半期連続の赤字を計上したことを受け、欧州や南アフリカ、中国で再編を実行している。ロシアでは、国内同業ソレルスと合弁で運営するレニングラード州サンクトペテルブルク近郊のフセボロジスク工場と、タルスタン共和国のナーベレジヌイェ・チェルヌイ工場が俎(そ)上に上っているという。

フセボロジスク工場では「フォーカス」と「モンデオ」、ナーベレジヌイェ・チェルヌイ工場では「エコスポーツ」と「フィエスタ」を手がけている。「クーガ」と「エクスプローラー」はタタルスタン共和国の別の工場が生産している。3工場の生産能力は合わせて36万台に上る。

フォードのロシア販売台数は昨年、前年比5.7%増の5万3,234台に拡大したが、市場全体の伸び(12.8%)からは大きく遅れた。市場シェアは2013年の3.8%から3%まで低下している。

フォードは2002年、フセボロジスク工場を開設。初の国際大手としてロシアで組み立て生産を開始した。11年にソレルスと折半出資で合弁化したが、フォードが優先株を保有し経営権を握っている。

合弁会社は11年にロシア開発対外経済銀行(VEB)から390億ルーブル(5億9,300万ドル)を借り入れた。VEBによると、事業再編に伴い債務再編についても議論されているという。(1RUB=1.70JPY)

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