アウルス「セナート」、2モデルを一般向けに発売へ

ロシアの自動車メーカー、アウルス(Aurus)はこのほど、スイスのジュネーブモーターショー(3月7~17日)で、これまでプーチン大統領や政府高官のみに使用が限られていた高級セダン「セナート」を一般市場向けに販売すると発表した。2年以内に「セナート 600」と「セナート 700」の2モデルを発売する予定。今後は市場投入に向けて、世界で販売ディーラーやエージェントを探していく。

「セナート」は、ロシア国営の中央自動車エンジン科学研究所が開発した。ポルシェ・エンジニアリングなどが開発に協力している。車台(プラットフォーム)は、コンパクトクラスから高級大型クラスに対応可能で、駆動装置も4気筒~12気筒エンジン、ハイブリッド車にも対応することができる。アウルスのフランツ・ゲルハルト・ヒルガート社長は、将来的にはSUVやバンなど、ラインアップ拡充に意欲を示している。

エンジンは、ポルシェの排気容量4.4リットルのV型8気筒ガソリンエンジンを搭載する。電気モーターを装備し、システム出力は440kW/598PSとなる。全輪駆動で、自社開発の9速自動変速機を搭載する。

「セナート 600」は、ホイールベース3.30メートル、全長5.63メートル。0~100kmの加速性能は6.0秒、最高速度は時速250km。

「セナート 700」は、ホイールベース4.30メートル、全長6.63メートルと、「セナート 600」に比べそれぞれ1メートル長い。0~100kmの加速性能は9.0秒、最高速度は時速160km。特殊な防護(装甲)機能を標準装備しており、運転席と後部座席の間には分離板がある。

アウルスのフランツ・ゲルハルト・ヒルガート社長は価格について、「メルセデスベンツ『Sクラス』をやや上回り、ロールス・ロイスを大きく下回る」と明らかにした。「セナート 600」は約20万ユーロ、「セナート 700」は100万ユーロ近くになる可能性があるという。

アウルスは「セナート」をタタールスタン共和国で生産する。モスクワにはすでに旗艦店2店を開設しており、今後は世界展開も準備していく。

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