2019/4/3

総合 - 東欧経済ニュース

西バルカン諸国、失業率の改善基調が鈍化=WIIW

この記事の要約

ウィーン世界経済研究所(WIIW)と世界銀行が先ごろ発表した西バルカン諸国の労働市場に関する年次報告書によると、昨年の同地域の労働市場は前年に比べ改善基調が緩やかだったことがわかった。2017年4-6月期からの1年間に発 […]

ウィーン世界経済研究所(WIIW)と世界銀行が先ごろ発表した西バルカン諸国の労働市場に関する年次報告書によると、昨年の同地域の労働市場は前年に比べ改善基調が緩やかだったことがわかった。2017年4-6月期からの1年間に発生した新規雇用は6万8,000人で前年同期の23万4,100人から大きく減少した。

国別に見ると、雇用の伸びが最も大きかったのはアルバニアとモンテネグロで前年比3.3%増加した。次いで大きかったのは北マケドニアの2.1%だった。

同地域の平均失業率は前年の16.2%から15.3%まで低下し歴史的に低い水準となった。国別で最も高かったのは29%のコソボで、最も低かったのは12%のセルビアだった。

同地域の長期失業者数は最も多かった2011年の150万人から2018年4-6月期には77万6,000人にまで減少した。ただ欧州連合(EU)諸国と比べると失業者数は2倍から3倍と多く、失業問題は引き続き同地域の課題となっている。

若年者の雇用は改善し続けており、失業率は3ポイント低下し34.6%となった。そのうちの多くが長期失業者で、ボスニア・ヘルツェゴビナでは全体の70%に上る。平均すると若年労働者の約半数は非正規雇用で、その割合はコソボとモンテネグロでは約80%と高くなっている。

同報告書はまた、同地域の労働所得に対する課税が低賃金労働者と扶養家族を持つ労働者に対しより負担が大きいものとなっていると指摘している。所得税の累進性が低いことと家族手当の制度が整っていないことがその理由だ。特に低賃金労働者は手取り分が少ないなど正規の労働市場では不利に扱われている。

世銀で西バルカンを担当するファン・ゲルダー氏は、労働市場の改善基調が緩慢になっているのは懸念材料だとした上で、同地域では民間部門を強化し雇用を生み出すと共に雇用の改善につながる政府の政策が必要だと述べた。