ポーランド化学大手グルパ・アゾティは6日、10億ズロチ(2億3,300万ユーロ)の増資を予定より遅らせ第3四半期に実施すると発表した。現行の計画のままだと手続きが法律に触れる可能性があるためだ。アゾティは調達資金を化学プラント建設プロジェクト「ポリメリ・ポリツェ」に投じることにしている。
アゾティの発表によると、プロジェクトを運営する子会社ポリツェは農地を所有している。このため、増資時の株式先買い権が国立農業支援センター(KOWR)にある。ポリツェの株式取得に当たっては、投資者がKOWRに購入の事実を届け、その承認を得る必要がある。
KOWRが先買い権を行使する場合にはさらに問題がある。取引情報蓄積機関(KDPW)が株式の登録を拒否する可能性があるためだ。登録されなければ、株式が市場で取引できなくなる。
関連法はすでに4月26日に改定されたが、アゾティ取締役会は「解釈が難しく」リスクがまだ存在するとみて、まずは状況を見極める姿勢だ。
アゾティは事業多角化に向けて北西部シチェチンに近いポリツェにプロピレンとポリプロピレンのプラントを設置し、2022年に稼働する計画だ。プロピレン、プリプロピレンともに年40万トンの生産が予定される。建設工事は韓国の現代エンジニアリングが担当する。(1PLN=28.79JPY)