トルコ中銀が大幅利下げ、政策金利19.75%に

トルコ中央銀行は25日、主要政策金利である7日物レポ金利を4.25ポイント引き下げ、19.75%に設定した。利下げは2016年9月以来34カ月ぶり。市場は2.5ポイントの引き下げを予想していた。中銀はインフレ率の低下を利下げの理由としているものの、金融緩和に慎重だったチェティンカヤ前中銀総裁がエルドアン大統領に解任された直後の大幅な利下げだけに、中銀の中立性に疑問が投げかけられそうだ。

同国の6月のインフレ率は15.7%となり、前年同月(15.4%)以来の低水準となった。インフレ率の低下は3カ月連続で、前月(18.7%)から3ポイント縮小した。中銀は今年の平均インフレ率を14.6%と予測している。

チェティンカヤ前総裁は2016年11月、通貨リラの下落を食い止める目的で34カ月ぶりの利上げに踏み切り、政策金利を0.5ポイント引き上げ8%とした。その後も段階的に利上げを実施。昨年9月には17.5%から一気に24%まで引き上げた。これが奏功して一時は25%を超えていたインフレ率が低下に転じた。

一方、エルドアン大統領は「高金利がインフレを招く」を持論としており、中銀の金融引き締め策には一貫して批判的だった。同大統領はチェティンカヤ氏が度重なる利下げ要求を拒否し、辞任の求めにも応じなかったとして、今月6日に任期途中で解任。後任に金融緩和に積極的なウイサル副総裁を昇格させた。

中銀総裁の交代劇を受け、米格付け大手フィッチ・レーティングスは12日、トルコの長期信用格付けを1段階引き下げて「BBマイナス」とした。

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