独コメルツ銀のポーランド子会社売却、内外銀行が取得に関心

ポーランド銀行最大手で国営のPKO銀行が、独同業コメルツ銀行が売却を計画しているポーランド子会社mバンクの取得に関心を示している。先日の総選挙で続投が決まった与党・法と正義(PiS)が金融業界を外資優位から内資優位に転換させる方針を掲げていることから、同じく国営のPZU、ペカオ銀行も買収を検討するとみられる。業界筋によると、外国銀行も多くが食指を動かしているもようで、買収合戦は熾烈なものとなりそうだ。

PKO銀のヤギエウォ頭取は21日、「mバンクの売却手続きが正式に始まれば、弊行も取得を検討する」と話した。一方、「これは買収提案すると宣言するものではない」とし、実際に提案するかどうかは「検討の結果次第」という立場を明らかにした。

業界筋によると、墺エルステ、西サンタンデール、蘭ING、ポルトガル商業銀行(BCP)、仏BNPパリバなど外国の大手もMバンクに関心を示している。

コメルツ銀は先月末、自社の持つmバンク株69%を手放すことを決定した。連結利益の2割以上を稼ぎ出す優良子会社だが、グループ再編費用捻出のために売却はやむを得ないと判断した。

コメルツ銀は事業のデジタル化を進め、スマホでサービスにアクセスできる銀行への転身を目指している。mバンクの時価総額は38億ユーロ。コメルツ銀保有株は25億ユーロ弱の価値があることになる。

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