アゼルバイジャンとルーマニアのエネルギー大手、戦略提携で基本合意

アゼルバイジャン石油公社(ソカール)とルーマニア天然ガス最大手のロムガスは25日、探鉱・開発事業での戦略的提携に関する基本合意書(MoU)を交わしたと発表した。調査の余地のある対象地域で探鉱を進め、新たな鉱床の発見につなげる。共同事業を実施する合弁会社の設立を想定している。

提携の方向性として、ソカールは過去に、黒海での探鉱・開発事業への参加に意欲的な姿勢を示していた。一方、ロムガスはカスピ海でのオフショア事業およびアゼルバイジャンにおける陸上鉱床の探索に注目していた。

両社は今年1月の時点で、アゼルバイジャン産天然ガスをトルコまで輸送する「アナトリア横断パイプライン(TANAP)」や、トルコ・ギリシャ国境からアドリア海を経由してイタリアに至る「アドリア海横断パイプライン(TAP)」といった天然ガス輸送管敷設プロジェクトで提携する可能性について話し合っている。

ロムガスはルーマニア国営企業で政府が70%の株式を握る。残る30%はブカレスト証券取引所で取引されている。

ソカールはルーマニアで給油所の運営元として知られている。同国での店舗数を今後、現在の43軒から60軒へ引き上げる計画だ。

なお、両社はすでにアゼルバイジャン産天然ガスを液化して欧州に輸送する「アゼルバイジャン・ジョージア・ルーマニア輸送路(AGRI)」で提携している。

上部へスクロール