独医薬品大手シュターダ、チェコの同業を買収

独医薬品大手のシュターダは4日、投資会社ミッド・ヨーロッパ・パートナーズ(MEP)から、チェコに本拠を置く同業ヴァルマルク(Walmark)を買収すると発表した。中東欧事業の強化が狙い。取引金額は明らかにされていない。関係当局の承認を経て、来年第1四半期に手続きが完了する見通しだ。

ヴァルマルクは1990年の創業で、栄養剤や風邪薬のほか、前立腺肥大症、関節痛、呼吸器疾患向けの一般医薬品を世界40カ国に供給する。本国チェコのほか、スロバキア、ポーランド、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニア、リトアニア、ラトビア、エストニアの8カ国に拠点を持つ。従業員数は540人強。

シュターダのヴァーグナー欧州事業部長は買収にあたり、東欧以外の地域におけるヴァルマルク製品の営業を活発化させる方針を明らかにした。

シュターダは後発医薬品(ジェネリック)と一般医薬品を手がけ、旧社会主義圏ではすでにロシアなどで地盤を固めている。今回の買収は、特に中欧・南東欧市場での地位強化につながる。

シュターダは、2017年に米ベイン・キャピタルと英シンベンに買収された際、事業・企業買収の実施を予告していた。しかし、これまでのところ個々のブランドや医薬品を取得するにとどまり、ヴァルマルクが本格的な企業買収の第1号となった。

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