中国家電大手の中国海信集団(ハイセンス)のスロベニア子会社ゴレニアは10月29日、本社機能をベレニエからリュブリャナに移すと発表した。新会社「ハイセンス・ヨーロッパ」を設立し、欧州事業全体を統括する。ベレニエや他の国内工場は引き続きゴレニアの名称で操業する。
本社移転後のベレニエにはハイセンス・グループの欧州サービスセンターとコンピテンスセンターが設置される。ハイセンスは欧州各国にある同様の拠点を閉め、代わりに4つの地域ごとにコールセンターを開設する。
ハイセンスは昨年8月、ゴレニアの発行済み株式95.42%の買収を完了。欧州工場3カ所と研究開発拠点4カ所を取得し、株式会社から有限会社に改めた。現在、ベレニエで年産能力100万台のテレビ工場の建設を計画しているほか、同地の冷蔵庫生産を今年1月1日付でセルビアのヴァリエヴォ工場に移管した。これに応じて同工場では冷蔵庫の年産能力を100万台に引き上げている。
ゴレニエの今年上半期の売上高は前年同期比1.6%増の5億6,750万ユーロで、営業利益(EBITDA)1,240万ユーロ、純損失2,950万ユーロを計上した。同社はゴレニアとAskoの2つのグローバルブランドのほか、Atag、Pelgrim、Upo、Mora、Etna、Kortingの6つのローカルブランドを持つ。スロベニアとセルビアのほかチェコにも拠点を構え、全体で従業員約1万1,000人を抱える。