ロスアトム、イラン原発拡張に着手

イランとロシアは10日、イラン唯一の原子力発電所であるブーシェフル発電所の拡張工事を開始した。2号機の建設が目的だが、これは2015年のイラン核合意で禁止された原発開発に当たる。このためイランと米国や英国との関係がさらに緊張すると懸念される。

建設には、2011年以来稼働中の1号機の設置を担当したロシア原子力公社(ロスアトム)が携わる。2号機は2023年に完成する予定だ。3号機の着工準備も進められており、近く建設に着手するという。

イラン原子力庁(AEOI)のサレヒ長官によると、第3号機の設置が完了する2027~28年には、イランの原子力発電出力が3,000メガワットに達する見通しだ。

イラン核合意は、イランが核エネルギーを軍事目的に利用するのを妨げるため、米国、ロシア、フランス、ドイツ、中国、英国が2015年7月にイランと結んだものだ。しかし、18年5月に米国が一方的に離脱。その1年後の今年5月以降、イラン側もウラン濃縮の上限を破り、「崩壊寸前」の状況にある。

上部へスクロール