ブルガリアがトルコ・ストリーム・パイプラインの正式稼働より一足先に、同パイプラインを経由したロシア産天然ガス輸入を開始した。一方で年初からウクライナ、ルーマニアを経由するトランス・バルカン・パイプラインを通じた輸入はほぼ停止している。新パイプラインの設置で、ウクライナを迂回して欧州へ天然ガスを輸出するというロシアの戦略が着々と進んでいる。
天然ガス輸送公社ブルガルトランスガスのマリノフ専務取締役が5日、明らかにしたところによると、トルコ・ストリーム経由で輸入したロシア産ガスを、新しいコンプレッサステーション「ストルナジャ2」を通じて、北マケドニアとギリシャへ輸送しはじめた。同時に、ウクライナ、ルーマニアを経由した輸入は年初以来、ほぼ停止した。
ブルガルトランスガスとロシア国営ガスプロムは昨年末、1月1日からブルガリアへのロシア産ガスの供給ルートをウクライナ経由からトルコ経由に切り替えることで合意した。ストルナジャ2ステーションを経由して年間29億立方メートルを取引する。
ルートの変更でブルガリアは輸送費を7,000万レフ(約3,500万ユーロ)抑制できるほか、ガスプロムからガス価格の5%割引を受ける。
トルコ・ストリームは黒海を経由してロシア産天然ガスをトルコおよび南欧・南東欧に輸送する目的で設置が進められている。導管を2本敷設し、合計で年間315億立方メートルの輸送能力を整備する。トルコ政府は1月8日に1本目の導管を開通すると予告していた。(1BGN=61.84JPY)