東芝の空調子会社である東芝キヤリアは21日、昨年末日付でポーランド子会社を設立したと発表した。欧州で環境負荷の低い機器の需要が高まっていることを受けたもので、現地生産を通じて納品の迅速化や低コスト化を図る。投資額は約30億円。年内の稼働を目指す。
新子会社の名称は東芝キヤリア空調欧州(Toshiba
Carrier
Air-conditioning
Europe)で、100%子会社の東芝キヤリア欧州(Toshiba
Carrier
Europe)を通じて資本金9,200万ズロチ(約26億円)の全額を出資する。立地はポーランド中西部のグニズエノだ。ポズナニの東方、約50キロメートルに位置する。敷地面積は約3万7,000平方メートル、工場面積は1万7,000平方メートル。既存の建物を改修して工場を整備する。
東芝キヤリアは同地を選んだ理由として、西欧に近く、優秀な労働力を確保しやすいことに加え、当局から優遇措置を受けられることを挙げた。
欧州製造拠点を設置する動機としては、環境規制強化や環境意識の高まりで、環境負荷の小さい空調機器やヒートポンプ暖房・給湯機器の継続的な需要拡大が見込まれるためと説明した。また、現地生産で、コストを削減しながら納期をこれまでの約3分の2に短縮できるという。現地のニーズに合わせた製品ラインナップの拡充にも取り組む予定だ。(1PLN=28.77JPY)