ドイツ鉄道(DB)の英子会社アリバ(Arriva)が昨年12月以来、チェコにおける高速鉄道や在来線の運行でダイヤの乱れや技術的なトラブルに相次いで見舞われている。原因としてエンジンの不具合や関係者間の連絡不徹底などが指摘されているものの抜本的な解決策は打ち出されておらず、混乱が収束する見通しは立っていない。
昨年末のクリスマスから大晦日にかけての期間、同社の路線では運行遅延や車両故障、乗客への案内不足、券売機の故障などの問題が相次いで発生した。現地メディアによると、これらの問題はドイツから導入した中古のディーゼルエンジンの故障や、駅員とブルガリア人運転手の間の連絡が円滑に行われなかったことに起因するとみられている。
アリバは対応策のひとつとして、運行計画を変更し一部車両を路線間で振り替えると発表。昨年12月にはプラハからスロバキアのニトラに向かう路線の運行を取り止め、国内の路線に車両を充てることを決めた。1日2便運行していた同路線の旧ダイヤへの復旧は春先になる。
アリバは当初、数日から数週間で復旧すると発表していた。しかし根本的な改善にはつながっておらず、沿線の自治体の中にはアリバに対し制裁金を課すことを求める動きも出ている。チェコ政府のクレムリク運輸相は同社幹部との話し合いを求めている。
アリバは英国をはじめ欧州14カ国で鉄道・バスの運行を手がけている。チェコでは4つの高速鉄道路線と複数のローカル線を運行している。