後発医薬品大手の独シュターダが東欧事業を強化している。4日には武田薬品のロシア・独立国家共同体(CIS)事業の一部買収、5日にはチェコ同業ヴァルマルクの買収を完了したと発表した。ウクライナのバイオファーマの処方薬・一般医薬品事業取得も発表しており、地盤強化を着実に進めている。
武田からは、一般用・医療用医薬品、計20種類を6億6,000万米ドルで買収した。これはシュターダの取引額として過去最高。取得した医薬品はロシア、ジョージア、アルメニア、アゼルバイジャン、ベラルーシ、カザフスタン、ウズベキスタンで販売されている。
米医療情報会社IQVIAによると、今回の取引によりシュターダはロシアのコンシューマーヘルスケア市場で6.4%のトップシェアを握ることになる。
一方、ヴァルマルクは栄養剤や風邪薬のほか、前立腺肥大症、関節痛、呼吸器疾患向けの一般医薬品を世界40カ国に供給する。本国チェコのほか、スロバキア、ポーランド、ハンガリー、ブルガリア、ルーマニア、リトアニア、ラトビア、エストニアの8カ国に拠点を持つ。
シュターダではヴァルマルクのノウハウを生かすだけでなく、東部トジネツにある工場でシュターダブランドの医薬品を製造することも計画している。