経営破綻したスロベニアの航空会社アドリア航空の破産管財人はこのほど、同社の資産売却に関する入札の最低額を10万ユーロとすることを明らかにした。入札期限は7月6日だが、新型コロナウイルスの流行を受け関連情報の閲覧ができない状態となっており、政府による行動制限が解除されない場合は受付期間を延長することが予定されている。
アドリア航空はリュブリャナ空港を拠点に17の路線に就航していたほか、アルバニアの首都ティラナ及びコソボの首都プリシュティナとドイツを結ぶ路線も運行していた。昨年9月に資金不足により運航中止に追い込まれ、翌10月に破産手続きが開始された。今年1月に同社はAOC(航空運送事業許可)などのライセンスを同国の事業家イゼト・ラストデル氏が新たに設立したエア・アドリアティックに4万5,000ユーロで売却していた。
現在アドリア航空は独投資ファンドの4Kインベストが保有している。同ファンドは2016年にスロベニアの国営資産を管理するSDHからアドリア航空を買収。その後全ての機体を売却し、リース機材を用いて運航を行ってきた。